ホイールシリンダーO/H
購入時より、若干ブレーキがふわふわしてたのですが、一度目の車検でエア抜きしてカッチリブレーキに!
それで感動していたのもつかの間、すぐにふわふわに戻ってしまい、
フルードを交換しました。
…が、それでも数ヶ月でふわふわに戻ってしてしまい、何度もエア抜きしていました。
そこで気づいたのが、リアのフルードだけ異様に汚れている点。フロントは綺麗だがリアだけ黒い。
パジェロミニはブレーキが前輪系統・後輪系統と分かれているため、後者のほうになにやらトラブルがあるのでは?と踏んだのでした。
というわけで、まずはホイールシリンダーを開けてみます。
手順
部品共販(?)へ出向き、車検証を提示して「リアのブレーキを分解するセット品あります?」と
言うと出てきたSeikenのカップキット。多分千円くらいだった気がする。1,200円だっけ?
適合車種にパジェロミニが載っていないが、車検証まで見せて検索してもらったのでまー大丈夫だろう。
上の箱は300円のラバーグリース。ブレーキの中と外に使えるタイプ。
あと必要なのは交換用のブレーキフルード。これはお好みでどうぞ。
パジェロミニはDOT4指定なんだよね(H56A) あんまり置いてなかったりして困る。
とりあえずジャッキで上げてウマに載せておきます。ウマは友人提供。
ローターが固着して取れないときは、サービスホールに適当なボルトをねじ込んで外します。
シューの削れカスで汚れているのでブレーキクリーナで綺麗にしておきます。
後々の作業が楽になると同時に、フルード漏れも発見しやすくなります。
無理やり番号振ってみた。
[1]:ホールドダウンスプリング シューを固定しているスプリング。
押し縮めて90度回転させると外れる。見れば分かる。これを取り外す
SSTがあったりするが、腕力とラジオペンチで代用可。
[2]:自動調節機構 シューのクリアランスを自動的に調整してくれる優れもの。
でも構造は簡単で一方通行なボルトのようなもの。良く考えたなぁ。
取り外す際、調整部に合いマークつけておくと後で楽…かも。付けなくても可。
[3]:リターンスプリング 制動力が必要
ないときにシューを引き寄せておくスプリング。
パジェロミニは三本(正確には二本。一本は自動調節用)ついている。
張力が強くて付け外しに難儀する。SSTがあるが、ロングノーズロッキングプライヤーと
腕力で代用可。
[4]:ホイールシリンダーカップ 今回の標的。
左図のソレは交換済みため綺麗だが、実際にはもっと汚れている。
カップ交換には、1,2,3を取り外す必要があるが、
一番下の3は取り外さなくても作業が可能である。
その場合、シューはサイドブレーキワイヤーでぶらぶらさせておく。無問題。
言うまでもないことだが、シューの油損には注意。
とりあえず今回は1,2,3を全部取り外してみる。
もう片方のシューは、サイドブレーキワイヤーを外すのが面倒だったのでぶらぶらさせてある。
手違いでリターンスプリングが写真に映ってないが、無くさないよう大事に保管しよう。
カップはシリンダーの溝にはまっているだけなので、
こじるまでもなく指で剥がせる。
カップをひっくり返すように剥がしたら、あとは引っ張るだけでピストンが抜けてくる。
これが抜けてきたピストン。シリンダー反対側のピストンも同様にして抜き出す。
当然フルードも漏れてくるのでウエスで防御。
ピストンを抜いたら、古いカップを力ずくで剥がす。再使用しないので切ってもいい。
その後、ブレーキクリーナで清掃し、ピストンに損傷(錆・傷)が無いか確認する。
…と、ここまでの作業をしたのが左図の綺麗なピストン。実際には古いグリス・フルードまみれのピストンがコンニチワァですよ。
もしピストンに損傷があれば即交換でしょう。
それからシリンダーも損傷の有無をチェック。
必要に応じてホーニングを行う。
この作業をしている間、手が汚れているので写真はほとんど無い。友人撮影。
というわけで左の写真はもう出来上がりの図である。
ピストンが再使用可能と判断した場合、ブレーキグリースを塗り、
新しいカップをピストンに装着する。これが非常に難儀する。
ピストン・カップに損傷を与えないよう、慎重にやってあげましょう。
カップには裏表があるので、装着後逆だった〜って事がないようにしよう。泣きたくなるぞ。
ピストンにカップが付いたら、再度グリースを塗りたくってシリンダーに収める。
この際、ブリーダプラグを緩めておく。さもなくば、シリンダー内の空気が抜けずに
前後のピストンがおしくら饅頭になる。
あとは外した部品たちを元に戻す。
リターンスプリングやホールドダウンスプリングを戻すのが大変…。
左右やって終る頃には指がプルプルしだした。
この作業は最低一人、助手がいたほうがいいです。
ピストン外してる間は手がベトベトになるので、助手がいないと新しいカップを拾ったり
グリース握り出したりが大変。
元の状態に戻したら、自動調節を回してある程度シューを広げておきましょう。
一応、サイドブレーキを引いてやればその名のとおり自動で調節してくれるのですが、
一回引くたびにギアの一歯だけ調節されるので最初から自動調節に頼ると時間が掛かります。
バックプレートにサービスホールがあるので、カバーを外せばドラムを装着した状態で
裏から調節ギアを回す事ができます。
回すギアは
上図のピストン下に見えてる奴です。
自動調節を取っ払うときに構造は理解できると思います。
最後にエア抜きを行って完成です。最初の内は「ブレーキが利かないかもしれない」という事を
念頭において踏みましょう。
特に、シューとドラムのクリアランスが調整されていない場合、十分な制動力は望めません。
そしてその後…。
カップ交換後、2週間くらいブレーキが甘い事に悩まされました。
それまでのふわふわも健在でしたが、それ以上にブレーキが利きにくくなっていました。
60km/hで思い切りブレーキを踏みつけてもタイヤがロックしない状態でした。
なんでかなーなんでかなーと思っていると、だんだん調子を取り戻してきました。
シューを分解した事でドラムとのアタリがずれてたのかな…。
とりあえず制動力は元に戻りました。
しかしふわふわブレーキはまだまだ健在…(TT;
今度はブレーキマスターシリンダーをO/Hしてみようかな…。